こんにちは、ゆとぶです。
今回は日本と海外の教育制度について僕の意見を書きたいと思います。よく日本の受験制度を完全否定している人をみかけますが、僕はちょっと違うと思っています。その理由を順を追って説明します。
日本の受験制度と海外の教育制度
まずは簡単に日本の受験制度と海外の進学制度についてさらっとまとめます。
日本の受験制度
日本の受験制度は一発勝負とよく言われています。大学に入れるかどうかが問われる試験に向けて、頑張って頑張って勉強をしていくタイプです。日本だけではなく、インドや韓国もこういった制度が用いられている事で知られています。
これについては皆さまの方がよく知っていると思うのでこれ以上は説明を書きませんが、一点だけ。少し今回のポイントとずれますが、僕が一番驚いたのは幼稚園でも受験があるという事。
いい大学に入りたいから頑張って勉強をするのは理解できます。でも、僕が一番驚いたのは、いい大学に入るためにいい高校に入る、いい高校に入るためにいい中学に入る、いい中学に入るためにいい小学校に入る、そしていい小学校に入るためにはいい幼稚園に入る。
なんと幼稚園でもお受験ですか。
海外の進学制度
海外と書くとあまりにも広くなるので、ここではアメリカやカナダ等の制度をベースで書きます。アメリカには受験制度はありません。この教育制度は進学制度って言い方が正しいのかな?
そもそも日本見たいに小学生(6年)、中学生(3年)、高校生(3年) という考え方ではなく、1 年生から 12 年生という風に数えていきます。
もちろん国にもよりますが、アメリカでは大学に応募する際に以下が見られます。
- SAT/TOEFL の点数
- 9年生 - 12 年生の成績 (実際には応募するのが 12 年生の時なので見られるのは 12 年生の前半まで)
- 成績以外で貢献したこと (生徒会、部活活動、ボランティア活動など)
- 高校の先生からの推薦状
- 場合によっては作文
海外の大学は応募には、その大学が必要するスコア以上を SAT というテストでとる必要があります。日本のセンター試験と似た感じですね。ただし、大きな違いとして、SAT は一回勝負ではありません。何回も受けられます。
仮に SAT の成績が良かったとしても、学校の成績が悪かったら受からないかもしれません。成績以外にも、学校でどういったアクティビティーに参加していたのかなど、総合的に見られます。
海外の大学は比較的に入りやすいと言われています。何かひとつを満たしていなくても、他でアピールできれば問題ありません。ただし、大学に入ってから卒業するのが大変。出席するだけではなく、ちゃんと勉強をしないと合格できません。
教育制度で日本(海外)は何を育てたいのか
ここが重要なところです。どっちの教育制度がいいかを話す前に、海外と日本の教育方針で何が育てられるのかについてみてみましょう。
日本の受験制度が育てるもの
僕は日本の教育制度で一番育てられるのは協調性だと思います。ある意味決まったレールを歩く勉強方法だと思います。全員を決まったゴール (受験に合格する事) に向かって励ませ、その中での一握りの成功者を作り上げる教育方法だと感じます。
日本の受験制度は大群の中から育てるべき人材を効率的に選ぶためにはすごく適していると思います。
規模を省略してどういう意味かを説明します。人口が 100 人の国があるとします。しかし、この国には 100 人を全員をリーダーとして育てるためのお金がありません。そのため、この 100 人の中から育てる候補として、もっとも優秀な 10 人を選ぶ必要があります。
これを実現するのが受験制度です。
日本という国では日本人が「受験に合格する」というゴールに向かって励みます。しかし残念ながら、がんばってきた全員が受験に合格できることはありえません。そして合格した一握りの人たちがいい会社に就職していきます。
このように、受験方式は自分の同年代と常に競争をさせられ、その中でトップの成果を出した物だけが評価される方式です。
海外の進学制度が育てるもの
海外の進学制度で一番育てられるのは自律性だと思います。いろんなことを総合的に見たうえで、自分で判断する力が育てられます。
SAT の成績が良くても、学校の成績が良くないとだめ。仮に成績があまりよくなくても、他にアピール ポイントがあればいいので、それを見つけてそこをがんばる。
大学に入るための明確なゴールがないため、海外の学生は常に大学を意識して、そこに対してどう向かっていくかを計画していく必要があります。
僕も高校 1 年生の頃に、生徒会や吹奏楽部やスポーツ等に参加していました。正直なところ、参加した理由は大学に有利だからという理由であり、心から入りたいと思ってからではありません。
でも参加する事により得られるものが多かったのも事実ですし、実際に参加したからには中途半端は許されません。こういった事で多種多様な人と関わり、いろんな経験ができたことは僕の強みになっていると思います。
このように海外の進学制度は、一人ひとりを平均的に育てていく (一人ひとりが育つチャンスをもらえる) 方式だと捉えています。
日本の受験制度と海外の進学制度のどちらがいいのか
さて、本題です。日本の受験制度と海外の進学制度のどちらが優れているのか。よく議論されていますね。
よく日本の受験制度を完全否定している意見を見かけますが、僕はちょっと違うと思います。受験制度が悪いというわけではなく、今の日本にとっては進学制度の方がいいと思っています。
僕は受験制度と進学制度を国の状況によって使い分ける必要があると思います。この意味を説明します。
先ほど書いたように、受験制度は同年代と競争をさせ、その中のエリートつかみだす事に優れている教育制度です。受験制度は発展途上国ではすごく価値のある教育制度だと思います。
発展途上国はまだまだ伸びる要素があります。平均的に見た場合、発展途上国にはグローバルでリーダーとなれる人はまだ少なく、(すごく言い方が悪いですが)全体的に使われる立場の人間がすごく多い状況です。
こういった国で受験制度を用いることにより、人口に明確なゴール (大学に合格する) を掲げて、ともに競い合い、その中からエリートの候補を絞り出します。この人たちにはいい会社に就職し、そこでさらに育て上げられます。
このように、受験制度は国って単位で見た場合には、全体の人口からすごく効率的にリーダーという人材を育てる方法です。
では、僕が今の日本には受験制度ではなく進学制度がいいと思う理由は何か?
受験制度は一昔前の日本にはピッタリな方法だったと思います。むしろ、受験制度を貫き通してきたことにより、今の日本がグローバルで比較した場合にも、平均的に学力が高いところまでこれたのだと思います。
ただし、日本はもう発展途上国ではありません。日本はもはやトップの一員です。こうなった場合、受験制度には逆の効果があるように思えます。
受験制度は、「学力が平均的に低い人たちの中からの一握りを選びにぬく」ための効率的な方法です。しかし、今の日本にはもう学力が低い人なんていません。同じ方法を優秀な人たちに適用してしまっているので、今の日本ではひと昔前まではエリートとして扱われていたレベルの人たちが競いあっています。
せっかく優秀な人材であふれているのに、そのうち一部の人しか光を見れず、多くをつぶしてしまう制度になってしまっています。
この状況を何よりも証明している事実が一つあります。日本では今となっては、いい大学に入ったからといっていい会社に入れるとは限りません。これは、いい人材が多いので、会社が選びたい放題の状態になってしまっているということです。
日本のように、平均的に学力が伴った人口を持つ国は、全体から数人を選出する方法ではなく、一人ひとりが自立して行動できるように育てるべきです。こうなった場合、受験制度ではなく、進学制度が適していると思います。
最後に
日本人は世界的に見るとエリートの集まりです。グローバルのリーダーがあふれています。にも関わらず、光を見ない人が多すぎます。
日本の教育制度が間違えているとは思いません。ただ、今の日本はこの教育制度から得られる効果を吸収しつくした状態です。
次のステップとして、今の日本の優秀な人材を認識し、グローバルで戦っていくことを想定した教育を考えていくべきだと思います。