このブログでは英語をテーマにした記事をよく書いていますが、今回は実際にオンライン英会話を受けた人の成長について書きたいと思います。
紹介するのは以前以下の記事で話した同僚についてです。同僚と呼び続けるのも変なので、ここではこれからこの人のことを佐藤さんと呼びます。
結果からお伝えすると、英語を話せなかった佐藤さんは半年間後、外国人相手に英語のプレゼンを成功させます。
今回はその経緯を紹介したいと思います。
英会話レッスンを始めた理由について
まずは佐藤さんの状況を理解するためにも、この仕事においての英語の重要性について共有したいと思います。
佐藤さんの日々の仕事は日本語だけでも十分にこなす事ができます。英文を読むことはありますが、書く事はほとんどありません。英語を話す必要なんて一切ないような人です。
つまり、英語が話せなくても今のところ仕事には困りません。
外資と言っても実はほとんどの社員がこういう状況で、日々の業務で英語を話せる必要はありません。それでもほぼ全員が英語を話せるようにならないとヤバいと思っています。
なぜかというと、英語を話せる方が圧倒的に仕事の幅が広がり、将来性があるからです。また今は英語が話せない人が多いから大丈夫ですが、将来的に英語が話せる人が増えると英語が話せないことがリスクになるからです。
英語が話せる利点と話せないリスク
仕事の幅が広がるというのは、英語が話せると日本以外をターゲットにできるからです。今は日本国内だけでも仕事が足りていますが、これが続くとも限りません。そうなった場合、英語が話せない人は仕事が足りなくなってきて苦しくなります。
さらに、外資なので海外にも同僚がいます。外向けの仕事だけではなく、海外の同僚とコミュニケーションが取れるということはそれだけ社内でもチャンスが増えるということです。
将来性という意味ではやはり管理職がちらつきます。
管理職も同様、英語がなくてもなれる部署もありますが、やはり英語が話せて色んな人とコミュニケーションをとっている人の方が圧倒的に情報量が多く、視野も広くなります。こういうマネージャーは会社として重宝されます。(つまり給料が上がりやすく、クビになりにくい)
他にもいろいろと理由はありますが、とにかく英語を話せると仕事面においてプラスが多いということです。
それでも英語を話せるようになれない人が多い一番の理由は、今はまだ日本語だけでも仕事ができてしまう状況だからです。
いざ必要になってから勉強し始めても遅い事は頭ではわかっていても、起きるかどうかわからない将来の事に対して危機感を持ち、率先して勉強をする事はなかなか難しい。
オンライン英会話の事例 (スタート前): 目的を整理
さて同僚の佐藤さんに話を戻します。
佐藤さんに英語の勉強方法について相談された際、一番最初にしたことは目的を明確にするということです。以前以下の記事にも書いた通り、読む (Reading)、書く (Writing)、聞く (Listening)、話す (Speaking) のどれを優先するかについてです。
最初は TOEIC で点数を取れるようになりたいと言っていましたが、色々と話を聞いていると、海外の拠点の人とのコミュニケーションがうまく取れなかった事が英語を勉強しようと思ったきっかけだと伝えられました。
実際に英語が話せない事により不便を感じたので、早い段階で英語を勉強しておこうと思ったようです。
このブログでも何度かお伝えしていますが、TOEIC をいくら勉強しても英語で話せるようにはなりません。Reading と Writing (後少しの Listening) には TOEIC 最適ですが、英語で会話できるようになるためにはひたすら英会話を頑張るのが最短の勉強方法です。
こんな感じの会話ののち、佐藤さんはオンラインの英会話レッスンに参加することにしました。目標は以下のように決めて、英会話レッスンがスタートしました。
- 平日のみ毎日 1 時間 (2枠) の英会話レッスンを受ける
- 平日受けられなかった場合には週末にその分を受ける
オンライン英会話の事例 (1ヶ月目):まだいけるぜ!
佐藤さんがオンライン英会話をスタートして数週間が経過しました。
基本的には用意されている教材をベースにレッスン進めていく感じでしたが、一か月が経過して、最初のモチベーションも少し落ちてきている状況が見えます。
最初の 2,3 週間は毎日 2 枠入り、週末も追加でレッスンを受けたりしていましたが、最近ではたまに英会話レッスンをスキップしてしまう事があります。
また、最初のうちは事前に準備して、終わったあとレッスンの内容を復習したりしていたのが最近できなくなり「全然ダメだ。。。」と本人は言います。
確かに予習復習ができるのがベストですが、毎日参加してちょっとでも英語で話す事に意味がある!と励ましていました。
オンライン英会話の事例 (2か月目):成長してるのかな・・・
オンライン英会話をスタートして丸 2 ヶ月が経過しました。
まだなんとか頑張って英会話のレッスンを継続していますが、モチベーションが最初に比べてガクッと下がってしまいました。理由はこんな感じ。
- 自己紹介は何度もやっているからできるが、新しい会話の場合単語が出てこず、相変わらずなんて話せばいいのかがわからない。
- 身振り手振りで頑張ってなんとか言いたい事が伝えられることが多いが、これって相手が必至に聞いてくれようとするから成立しているだけ。
- 言い回しが色々ありすぎて難しい。日本語の場合わからなかったら聞き返せるが、聞き返すことすらできないレベルで何を言っているのかがわからない場合がある。
- 2 ヶ月なので当たり前かもしれないが、そこまで話せるようになっている気がしない。
これを聞いてむしろちゃんと上達している!って思いました。
最初は言いたいことも何も言えなかったのが、身振り手振りであってもとりあえず会話はつながるようになっています。
最初は自己紹介もたどたどしかったのが、自己紹介とかはかなりスムーズにできるようになっています。
2 ヶ月でいきなり日本語レベルで話せるようにはなりません。本人もそれはわかっていますが、やっぱりかけている時間対して上達の実感が得られにくいのかもしれません。
オンライン英会話の成果 (3か月目):プレゼンやろう!
英語が話せるようになった実感って日本で普通に生活をしていると得に感じにくいのかもしれませんね。だって、普段の生活で英語が必要ないんですもん。
モチベーションが下がっていてもなんとか英会話レッスンは継続できていましたが、そろそろヤバそうです。
そこで、「社内の海外の同僚向けにプレゼンをしてみない?」と提案をしてみました。実際には正式なプレゼンというよりは、海外拠点の社員と定期的にある集まりで話すという依頼です。
これに対して佐藤さん、即答で「まだ英語が話せるようになっていないから無理」と全力で拒否。。。
でも、そもそも何十年と話してきた日本語と同じレベルで英語が話せるようになるまでは正直まだまだ時間がかかります。そうなれるかもわかりません。もっと大事なこととして、今の時点でも、たとえ身振り手振りであっても、会話は続くレベルにはなっています。
英語で誰かを説得するとなると確かにまだ難しいかもしれません。でも、プレゼンはいわばスピーチ コンテストです。話す内容を事前に準備できます。練習もできます。これほど一方的に話せる場面ってあまりありません。
色々話していると、この話を聞いていた佐藤さんのマネージャーも興味深々で話に加わる形になり、これが後押しをする感じでマネージャー公認のプレゼンを開催することになりました。
マネージャーと僕も可能な限りヘルプすることを約束。
- マネージャーがその場のセッティングをする。
- ベースとなるプレゼンができたら、その英単語や言い回しはチェックする
- 聞いている人から質問があった場合のために僕もプレゼンに参加する
準備に時間を十分に設けるために 3 ヶ月後に日程を設定して、佐藤さんのプレゼンの準備がはじまりました。
オンライン英会話の成果 (4ヶ月目以降):プレゼンの準備
さて、佐藤さんのプレゼンの準備が始まりました。
仕事の場面で話すといっても社内情報等は一切なく、日本の一般的なサラリーマンというテーマを選びました。
まずパワポを日本語で作って、それを英語に翻訳。こんな感じで話すというスピーチも佐藤さんが作成。
そこまで完成したところでも僕も一緒に確認して、外国人向けのフォーマットにパワポを修正したり、スピーチの言い回しについて色々と話し合いながら作り上げていきました。
また、この間、佐藤さんはオンライン英会話でこれに関連する会話をすることに。朝通勤する時にどれぐらい時間がかかった、何時に会社について何時に帰った、雪が降って電車が止まった、等日々の出来事を相手に伝えることをメインで会話をしていきました。
プレゼンの構成がある程度決まってくると、その内容をオンライン英会話で聞いてもらい、発音や伝え方のチェック、わからないところがないかなどを聞いてもらっていました。
もちろん、毎回この内容にするのではなく、今まで通りのレッスンも混ぜてやっていましたが、「外国人相手に英語でプレゼンをする」という明確な目的 (そしてプレッシャー) ができて追い込まれたことによりモチベーションが回復し、オンライン英会話をうまく活用することができたのだと思います。
外国人向けに初めての英語のプレゼン開催!
さてそのプレゼンですが、本人としてはもっとこうしたかったというのが色々とあるみたいですが、僕からすると大成功だったと感じました。
日本に興味がある外国人が多く、またこの場をセッティングした佐藤さんのマネージャーが話を広めていたようで、想定していた以上の参加者が来てくれました。
予想以上の参加者にドキドキしながら、プレゼン開始。最初の方は準備していたとおり、スピーチ コンテストのように進んでいきましたが、ここで佐藤さんは日本人と外国人の観客の違いを経験することになります。
日本人へのプレゼンの場合、最初にプレゼンターの話をすべて聞いて、最後に質問をすることがほとんどです。でも、外国人相手の場合にはオーディエンスを巻き込む形が効果的です。つまり、最後に「何か質問ありますか?」って聞くのではなく、途中で「これどう思います?」って観客を巻き込んでいくスタイルです。
今回のプレゼンもこんな感じで途中で質問を投げる形で構成をしていたのですが、この話が盛り上がりすぎて、進行のために会話を切らざるおえなかった場面が何回かありました。これってそれだけ観客が興味を持ってくれているってことなんですが、特に今回は社内のプレゼンなので、この辺りの盛り上がりがすごかった。
約束していたとおり、こういった会話や Q&A に関しては僕がヘルプする予定でしたが、基本的な応答はすべて佐藤さんがやり、僕がヘルプとして入る事はほとんどありませんでした。
佐藤さんとしては色々といっぱいいっぱいだったって言っていましたが、無事大成功でプレゼンは終了しました。
これからの佐藤さん
佐藤さん、無事プレゼンもできて一安心。
んじゃ、「次のプレゼンいつにしますか?」って冗談半分 (本気半分) で聞くと「しばらくは結構です」と断られましたが、佐藤さんとしてはこのプレゼンをやったことでかなりいい刺激になったようです。
準備も大変でしたし、当日のプレッシャーも半端なかったけど、その分得るものも大きかったと話してくれます。プレゼンを開催したことにより、「英語が少しうまくなったような気がしてしまう」と自信につながっています。
今までプレゼンなんて絶対にやれなかったけど、準備とかをすればできるってことがわかった。こうやって自分を追い込むのが一番早く英語が話せるようになる方法かもと苦笑いで話す佐藤さんでした。
今のところ今後のプレゼンの予定はまだありませんが、佐藤さんの英会話に対してのモチベーションは高く、色々と自分で試してみたいことがあるそうです。
以上、今回は佐藤さんの話でした。
さいごに
英会話の練習って楽ではありませんよね。途中でモチベーションが落ちてやめてしまうこともあると思いますが、何よりも続けていくことが大事です。
この話がそんな人にとって少しでも後押しになれば幸いです。