ゆとぶ - 片上裕翔のブログ

片上裕翔 - 日本と海外を比べてみよう

メインのテーマは英語。日本(日本人)と海外(外国人)の違いや英語の勉強方法について、これまでの経験から感じた事を記事にしています。

スポンサードリンク

本当にその勉強方法で必要な英語のスキルが習得できますか?(実例付きで紹介)

先日以下の記事で英語には 4 つのスキル (Reading Writing Listening Speaking) があるという話をしました。

勉強する時はこの 4 つのスキルを意識するべきと書きましたが、今回は実例をもとに、どういう意味かをさらに紹介していきます。

 

海外留学生が勉強して覚えた英語スキル

僕が通っていた大学には交換留学制度があり、毎年日本からも留学生が数名来ていました。

大学で日本語のティーチング アシスタントをしていたつながりから、日本からきた交換留学生のサポートをしてあげてほしいと依頼され、毎年数人と知り合う事になりました。

海外留学生たちは阪大や早稲田など、日本の有名な大学からきている人たちです。この人たちの到着直後の英語スキルをグラフ化するとこういう感じです。

f:id:YutoKatagami:20160706181238j:plain

もちろん全員ではありませんが、僕が感じた雰囲気として平均的にはこんな状態です。

読み書きに関しては問題ありません。多少時間がかかるかもしれませんが、ちゃんとしたきれいな文章を書きますし、英語の教科書もちゃんと理解できています。

でも、会話力が圧倒的に弱い。授業に出ても教授の言っていることが分からない、会話ができないので知り合いがなかなかできない。

言葉が通じないということで苦労する人が一番多かったです。

でも、生活しているうちに慣れてきます。ちょっとずつわかるようになります。

交換留学生が帰国する時の英語スキル

積極的に話に行く人ほど上達が早い。でも、内気な人でも生きていくために自分が話さないとダメになる場面が何度もあります。

こんな生活が続きますが、この人達は交換留学生なので一年したら日本に帰っていきます。その一年後の帰国時のスキルレベルをグラフ化するとこんな感じです。

f:id:YutoKatagami:20160706181301j:plain

読み書きの力も上達していますが、一番成長するのは皆、会話力です。そしてここがみんな「来たときより英語が話せるようになった」と感じるポイントでもあります。


数値的な裏付けがあるわけではなく、感覚的なものをグラフ化しているので多少のずれがあるかもしれませんが、言いたい事は伝わると思います。

この人たちのグラフにはまた後で戻ってきますが、一旦現地の人たちのスキルを見てみましょう。 

 

ネイティブ (現地の人たち) の英語スキル

英語がネイティブな人といっても、大学には色んな国や地域からきている人たちが大量にいます。

以前他の記事でも書きましたが、僕は大学 1 年目に知り合った友人とすごく仲が良くなりました。その友人が現地 (大学から車で 10 分のところ) 生まれ現地育ちの人だったので、4年間はそのグループとずっと過ごしていました。

そんな友人や大学生の英語スキルをグラフ化するとこんな感じです。

f:id:YutoKatagami:20160706181521j:plain

大学の学生たちは、勉強をしてきている人や頭のいい人が多いので平均的に高いです。大学の専攻が文系の人たちは reading/writing が Max の 10 になる感じですが、みんな平均的に全部できる人達です。

おそらくこれがみんなが想像しているネイティブのスキルです。

 

これを見てネイティブだから当たり前じゃんって思うかもしれません。

では、もう一つグラフ化します。今度は大学ではなく、現地の友達です。その友達の一部は学校にまともに行っていません。いわゆるドロップアウトした人も何人かいました。

こういった現地の友達のスキルレベルをグラフ化するとこんな感じです。

f:id:YutoKatagami:20160706181529j:plain

Reading と Writing 低すぎじゃない?って思うかもしれませんが、僕の感覚ではこれぐらいです。実際に色んな単語のスペルがわからない人もざらにいます。

読み書きに関しては、最初に話した交換留学生の方がスキルが高いんですそれでもこの人も「ネイティブ」なんです

 

ネイティブって言葉は英語を勉強する人の目標的な言葉として使われますが、あくまで会話力だけの話です。

ネイティブ並みに読み書きができるようになりたいって聞くと、内心ではネイティブも読み書き苦手な人いっぱいだよって思います。

少し話がずれてきたので、元に戻します。次が本題です。ここまでの話をベースに、今度は日本人の状況を説明します。

 

自称英語ができない会社の同僚

日本の会社に勤めていると英語を勉強しないとダメって言っている人がいっぱいいます。実際に勉強している人もいっぱいいます。

でも、この人たちの多くはいつまでたっても自分が英語が苦手だと言い続けます

例えば、TOEIC 900 点とか取っている人でも、まだ英語が話せないと言う人がいます。その人のスキルをグラフ化するとこんな感じです。

f:id:YutoKatagami:20160706181604j:plain

このグラフ、見覚えありません

そうです。海外留学生が大学に到着したときの状態と英語を勉強している社会人の状態ってすごく似ているんです。

 

海外留学生のように、今この人が必要なのは実践経験です。単語を覚える事ではありません。会話力です。

でも、多くの人がいつまでたっても教科書を頑張って勉強しています。会話をするために時間を使った方がいいよって言っても、「まだまだわからない文法がいっぱいあるので、会話はそれからかな」って返事が返ってきます。

 

これってすごくしんどい勉強の仕方だと思います。一個ずつをちゃんと終わらせてから次に移りたいって気持ちはすごく理解できます。

会話が不安なのもわかります。読み書きができる分、余計に会話力の低さが気になります。

でも、ゲームで最初の方がレベルがあがりやすいのと同じで、一番伸び率が高いのはスキルが低いところです。

会話の練習は文法をもっと勉強してからにしたいという意見がありますが、実際に会話をしながら覚えられる文法もたくさんあります。

読み書きの勉強をどうしても継続したいなら、ちょっと割合を変えて、会話する時間をちょっと作るだけでも大丈夫です。

一番効果的な勉強方法が目の前にあるのにもったいないなーって思います。

 

こういう人は会話力がない間はずっと「英語できない」といいます。でも会話力をつけるための勉強をしていません。いくら読み書きを勉強しても「英語を話せるようになった」って実感がありません。

せっかくすごくまじめに勉強しているのにもったいないなーって思います。

 

まとめ:その勉強方法で必要なスキルはあがりますか?

感覚的なものをグラフ化しただけなので多少のずれはあるかもしれませんが、言いたいことがうまく伝わっているとうれしいです。

 

多くの日本人は「英語がネイティブのように話せるようになりたい」と言います。ここでいう「英語が話せる」というのは、読み書きの力ではなくほとんどの場合、会話力の話です。

それなのに、会話力につながる勉強を一切していません。

 

交換留学生のように最初は全くわからないかもしれません、でも実践を踏むうちに Listening と Speaking も必ず上達してきます。交換留学生たちがその証拠です。

まだ話せないので、もうちょっと文法を勉強してから。。って思う気持ちはすごくわかります。でも、話せないからこそ会話を勉強した方が効率的です。レベルが低いところが一番早く成長します。

 

 

日本人の多くが読み書きに集中しすぎているので、ここまでは会話力の勉強が必要だという書き方になりましたが、結局、最適な勉強方法はあなたが何を目標にしているのか次第で決まります。

英語の文章が読めるようになりたい、記事を書けるようになりたいという人は、読み書きを勉強し続けることが正解です。

でも、英語で会話ができるようになりたいって思っているのに、最近教科書ばかり勉強していたって人いませんか?そんな人は勉強方法をかえて、会話力に集中するほうが効率的かもしれません。

今一度、今のあなたにとって本当に必要なスキル (Reading Writing Listening Speaking) がどれかを見直してみてください