ゆとぶ - 片上裕翔のブログ

片上裕翔 - 日本と海外を比べてみよう

メインのテーマは英語。日本(日本人)と海外(外国人)の違いや英語の勉強方法について、これまでの経験から感じた事を記事にしています。

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外資企業の面接官の立場から見る中途採用の英語力の判断方法

プロフィールにも記載してあるとおり、僕は外資系の IT 企業に勤めています。

僕が働いていたチームでは、毎年に 20 人程の中途採用枠があり、この多くの人の面接をしていた時期がありました。

面接官と言っても人事部門は別にいるので、僕の役割はその人が (即戦力もしくは将来的な戦力として) 僕のチームで働けるかどうかを図ることでした。

本当は面接をする側の視点をすべてまとめようと思ったんですが、情報量が多すぎてまとめきれなくなるので、何回に分けて話したいと思います。

今回はそんな面接をする側の立場から、僕がどうやって英語の実力を判断していたのかをお伝えします。

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日本にある外資系の文化は、日本の会社とも海外の会社とも異なる

よく勘違いされていることですが、外資だからと言って必ず英語が必要になるわけではありません。採用資格としては必要かもしれませんが、現実的には英語を全く使わないで働ける部門はたくさんあります。

外資系と言っても、日本にあって、働く人の割合として日本人が多ければ、日本の文化が色濃く浸透していきます。お客様が日本人だとなおさら日本人色は強くなります。

こういう場合、いくら外資と言っても日本人っぽさがすごくあります。それでも外資なので会社の方針的なところでは海外っぽさが残ります


言葉だと説明しにくいところですが、外資系の企業は、たとえるなら海外の文化を取り入れようとしている日本の町です。

その町に外国人が多いところは海外っぽいスタイルになりますし、日本の考え方が多い場合には日本っぽいスタイルになります。

 

中途採用の面接時に英語力を判断する基準

このように、外資と一言で言っても部門によって英語の使い方が全く違います。そのため、面接時の英語力のチェックの仕方は、その人がどこの部門に配属されようとしているのかということがすごく大事でした。

英語をあまり使わない部門の採用面接

先ほどの例で言うと日本人っぽいスタイルのチームに配属される予定の人と面接をする場合には、英語をほとんど使わないのであまり会話力は意識していません。

ただし、英語を使わないと言っても、日々英語のメールは流れてきますし、どんな情報でも日本語よりも英語の方が情報量が基本的には多いので、英語が使えた方が得という点は変わりません。

つまり、ここで求められる英語力はインプットです。極端な話、ライティングもスピーキングも一切必要ありません。リーディングさえできれば OK です。

こういったチームの面接では、僕は TOEIC の数字を結構重要視しました。多少専門用語的なところがあったとしても、インプットに関しては TOEIC がいい指標になります。

英語を使う部門の採用面接

逆に、外国人と会話することが多い部門もあります。チームに外国人がいたり、お客様が外国人だったり、海外の部門と連携したり、と目的は様々ですが、いずれの場合にも英語の会話力が必要になります。

この時、TOEIC のスコアは参考程度にしか見ていません。TOEIC のスコアが低くても、海外に住んでいた経験があるか、海外の人と働いていた経験があるか?ってところを重点的に見ていきます。


ここで大事なのは履歴書でだませるのは面接までということです。履歴書には過去に海外に住んでいた経験もあり、外国人と仕事をしていたことを書いているにも関わらず、実際には英語が全く話せない人だっていました。

うそをついているとまでは言いませんが、仮に海外に住んでいたことも外国人と仕事をしていたことも本当なのであれば、そこで英語力をつけられなかった以上今後英語力が上達することも期待できないという見方になってしまいます。

こうなると、英語を推してきたことが逆効果になってしまいます。

採用面接の NG: TOEIC を受けていない

何名か TOEIC やその他英語関連の資格を一切記載していない人もいました。このうち何名かは、受けているけどスコアが低いので書いていないという人でした。

ここで、一番ダメなのが「TOEIC は英語が話せるかどうかを正しく表していないので受けていません」という回答です。実際にこれを言われたことが 2 度あります。

確かに TOEIC で高得点だからと言って英語を話せるわけではありません。これは僕も理解しています。会社側だってもちろん知っています。

もっというと、英語をネイティブ レベルに話せれば TOEIC は高得点が取れる事だって知っています。逆に TOEIC のスコアが低くても英語が話せる人がいることだってわかっています。

この回答がダメな一番の理由は、 TOEIC を受ける事がそんなに難しい事ではないという事です。

この会社が TOEIC を必要要件に入れているにも関わらず、それすら受けられない人が今後会社にとって必要なことを積極的にやっていける人だとは思えません。

結局、英語力を見ると言っても、面接ではその人の実力を総合的に判断します。そう考えると、たとえスコアが低くてもいいので TOEIC は受けておいた方が正解です。

出来ることはしっかりとやろうとしている姿勢を見せることが大事です。

 

さいごに:中途採用がどうやって英語力をアピールするべきか

外資系でも英語を使わない部署はいっぱいあります。それでも TOEIC が要件に含まれていることには二つの理由があります。

一つは即戦力で英語が話せる人が本当にほしいから。もう一つは長期的に見ると英語を話せる人の方が会社にとって使い道の多い人材だから。

いずれにしろ、TOEIC が要件に入っている会社は何らかの形で英語を意識しています。即戦力レベルの英語力があればベストですが、今その力がない人は今後の可能性を見せる事を意識するべきです。

ここで、できないことをできると言ってしまうと逆効果です。僕はやる事はあまりありませんでしたが、面接時に英語で会話をしてもらう事だって簡単にできます。こうなると今の英語の会話力なんて簡単にわかるので、見栄を張りすぎるのは逆効果です。

 

これは人によって考え方が異なるところですが、僕は「今の英語力がどのぐらいか」という事よりも、「これまでの経験に対して今の実力がどのぐらいか」を見ていました。

TOEIC のスコアが低くても、会話力がまだあまりなくても、この人は今後必要になれば英語だって覚える人だなって思える人は採用していました

会社によっても違うし、面接官によっても違うので必ずこうなるとは言えませんが、僕の観点が少しでも参考になれば幸いです。