ゆとぶ - 片上裕翔のブログ

片上裕翔 - 日本と海外を比べてみよう

メインのテーマは英語。日本(日本人)と海外(外国人)の違いや英語の勉強方法について、これまでの経験から感じた事を記事にしています。

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お客様は神様?日本人と外国人の客対応の違い

こんにちは、ゆとぶです。

「お客様は神様」日本人なら誰もが知っているこの言葉は海外にはない考え方です。今回は日本と海外のお客様対応の違いについて書きたいと思います。

日本人がお客様が神様というようになった経緯

お客様は神様というフレーズがどういった経緯で知れ渡ったのかが気になったので調べてみたら、なんと Wiki に記載されていました。

1961 年に三波春夫という演歌歌手が MC で言ったフレーズを、レツゴー三匹という漫才トリオがネタにして広めたとのこと。何よりも驚いたのが 1961 年の部分。この考え方って結構新しいんですね。てっきり江戸時代とかには、既にそういう考え方をしていたのだと思っていました。

 

日本人にとってのお客様は神様の意味

お客様は神様って考え方を完全に否定するつもりはありませんが、日本人はこれを自分の都合がいいように履き違えている気がしてしょうがない。

まずサービスや商品を提供する側 (ここでは従業員と呼びます)のマインドセットとしては素晴らしいと思います。使う人が満足するサービスを提供したいという考えをベースにサービスや商品をよくしていくという考え方ができる人はすごく貴重です。でも、これって従業員側が持つべきマインドセットであって、客側がそれを前提にするものではないはずです。

日本人の多くが「お金を払っているからそれにふさわしい対応をしてくれるべき」と考えますが、これって見当違いだと思います。自分がサービスや商品を選んで、お金を払ってでもほしいと思っているのであって、決して押し売りされているわけではありません。本来従業員側が目指すべきマインドセットを、客側が自分の都合のいいようにとらえるから話がややこしくなっているとしか思えません。

これの一番の問題は、今の日本ではこれが当たり前になりすぎているということ。横暴な客に対しても店側が謝るということです。常に従業員が客の下になる上下環境を作り上げてしまっています

風評被害を恐れたり、他に客を取られたりするのを恐れるのはわかります。でも従業員が正しい行動をできず、どんなにまちがえていても常に客が正しいかのように扱うのがお客様は神様というフレーズの意味ではないはずです。

日本のもう一つ悪い癖ですが、何もかもをマニュアル化しようとします。大企業になるとある程度は仕方がないところはありますが、接客業は所詮は人と人の付き合いです。一つの正しい正解なんてなくて、その客ひとりひとりに合わせて対応できることが本来求められているはずです。これを「何があっても反論してはいけません」、「お客様は神様です」ってマニュアル化している日本は人を馬鹿にしすぎです。

馬鹿の一つ覚えのように「お客様は神様です」って言うんじゃなくて、何が正しいのか、どうすれば客に本当に満足してもらえるのかってことを模索していくのがビジネスの本来の形だと僕は思っています。

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日本人のお客様は神様に相当する外国人の考え方

僕が知っている限りではお客様は神様ですって言い方は日本でしか聞いたことがありません。でも、だからといって海外が客をないがしろにしているわけではありません。

海外だと Custmer Focus や Customer Centric という言い方をします。そして日本と同様に大手企業のほとんどがお客様満足度を意識しています。コンサルタントのエリート集団のマッキンゼーの記事でも企業がどのようにこの考え方を取り入れるべきかを紹介されています。

世界中でこの考え方はすごく重要視されていますが、実際の対応レベルとしてはどうでしょうか?僕は客対応に関しては日本がどこの国よりも優れていると思います。というか日本が単独で別次元にいるぐらいだと思います。

例えばコンビニのレジにスタッフが一人しかいなくて、もう一人のスタッフが商品を整列しているとします。そこに客が来て、レジに少しでも列ができると、商品を整列していたスタッフがもう一つのレジを(走って)開けて対応してくれます。

日本だとあたりまえになってしまっているこの光景ですが、これって世界中どこをみてもこのレベルでできているのって日本だけだと思います。

この対応に慣れてしまっている日本人が海外のコンビニで買い物をするときにイライラするのはすごく理解できます。列が長くなってきているのに関係のないことで話しながら対応しているのでなかなか列が履けないことや、レジが余っているのにヘルプに来ないスタッフ。こんなの海外では当たり前です。

では、同じ場面を少し視点を変えて見てみましょう。日本のスタッフって確かに走ってきてくれます。でも実際にお会計をするときに目を見て値段を言ってくれる人って少なくないですか?お釣りを返してくれる時に、とりあえず渡すだけの人って多くないですか?

海外の場合、むしろこれがあり得ない。日本人はマニュアル化されている事に対してはすごく早いです。でも結局客を人として扱うことではなく、レジ作業を素早くこなす事だけを重要視しているように思えます。(ちなみに、これが徹底できているのがスターバックスやマクドナルドの定員だと思います)


後はもう一点、横暴な客に対しての対応。例えば客側が悪いと思っている場合、海外だとスタッフが謝る事はまずないでしょう。むしろ謝る事で自分に非があることを認めているという事になります。相手が客であろうが、間違えていることは間違えている。とことん(ビジネスマナーの範囲内で)ぶつかりあいます。これに関しては僕は海外の方が正しいと思います。

 

日本人も外国人ももっとがんばれ!

結局どうすればいいのか?僕は日本も海外ももう少しお互いのいいところを見習い、バランスをとるのがいいと思います。

 

日本人の皆さま、そんなにお客様お客様って言っていて、職場環境の楽しさを半減させていませんか?

まず日本人はお客様は神様って考え方を勘違いせずに理解してほしい。これは働いている人だけへのメッセージではなく、客という立場の人も含めてです。

もしくは、「お客様は神様 = なにを言われても抵抗しない」というのが本来求めている事なのであれば、こんな考え方捨ててしまえばいい。従業員を馬鹿にしすぎです。

スタッフであろうが、客であろうが、女性であろうが、マイノリティーであろうが、ちゃんと人と人の関係であること認識して向き合ってほしい。

 

海外の皆さま、職場環境が楽しいのはいいことですが、ビジネス チャンスをとりこぼしていますよ!

外国人はもう少し日本のマニュアル重視なところを取り込めば、効率化できるところがいっぱいあります。対面だけじゃなくて、日本のサービス精神を見習う事でビジネスの効率化もしっかりと意識して、柔軟に対応できるように人な教育するべき。

 


マナーは大事です。でも奴隷に成り下がる必要も媚びる必要もありません。何事もバランスが大事だと思います。日本は今このバランスを振り切ってしまっている状態です。そして何よりも、それがあたりまえになっていて受け入れてしまっている現状が僕はこわいです。

みんながんばれ!考えることを放棄したらだめだ!